『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』感想
あらすじと紹介
映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』オフィシャルサイト
1940年5月、第二次世界大戦初期。ヒトラー率いるナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。 内閣不信任決議が出されたチェンバレン首相の後任として、外相のハリファックスが最適任者だという声があがるが、本人はこれを固辞。そこで、国民からの人気は高いが、たび重なる失策から政党内の “嫌われ者”であったウィンストン・チャーチルに白羽の矢が立つ。 朝から酒をたしなむ変わり者の夫を叱咤激励する妻クレメンティーンや、気難しくもウィットとユーモアに富んだチャーチルの言葉をタイピングする秘書エリザベスのサポートを受けながら、国難に陥ったイギリスの新首相に就任したチャーチルは、ドイツとの和平交渉をすすめるチェンバレンとハリファックスらに陰口を叩かれながらも、「決して屈しない」と徹底抗戦を誓う。
そんななか、ドイツ軍に追い込まれた英国軍は、フランス・ダンケルクの海岸まで撤退し孤立状態となっていた。30万人もの兵士が包囲され、救出するすべがない。ならば彼ら兵士を救うべく船をダンケルクへ向かわせるのだ、大型船はもちろん、ボートや小型船など民間の船もすべて召集して 。こうしてダイナモ作戦が実行された。
日に日にナチス・ドイツの勢いは増す一方で、英国にも上陸の危機が迫る。ヒトラーに屈するのか、それとも戦うのか。ヨーロッパのみならず世界の運命がチャーチルの手に委ねられた。日々悩み、葛藤するチャーチル。そんな彼の姿に、就任当初はチャーチルに対して懐疑的だった英国王ジョージ6世も心を開き、二人は絆を育む。
そしてついに、チャーチルは歴史的決断を下す 。
感想
今回は見終わった後の父との会話から始めたいと思います
父「『ダンケルク』とマッチしててなんかこう、ピースがはまった感じ。崖の攻防戦を本国の視点で描いてる。本国は本国で奔走してたんだね。」
私「なんか『ハクソーリッジ』と混じってない?」
父「あ、ダンケルクは浜辺か。でも映画としてはなんか物足りないな。もう少し後の部分も見たかった。」
私「もう少し後ってフランスが降伏した後?」
父「そうそう。イギリスに上陸したドイツをどうやって押し返すかってとこ。」
私「今度は『紺碧の艦隊』と混じってない?」
父「あれ?ドイツはイギリス上陸してないんだっけ?」
私「うん。イギリス侵攻に失敗したドイツは英ソが手を組んでると思って独ソ戦始めたからね。なんとか持ちこたえたんだよ。もう少しドイツが攻撃してたらイギリスは負けてたらしいし。」
父「まあ、後ろでなくても前でもいいからもう少しチャーチルの一生?みたいなのが見たかった。ポスターとか見るとチャーチルとはどんな人だったか、について映画にしているみたいだしね。涙もろいとかヒトラーのことをよく知っていたってのは驚きだよ。『紺碧の艦隊』だとぼろ負けしてるからね。」
私「今回は何にも見ないで映画を観たからよくわかんないんだけど多分このテーマは言葉の強さ、スピーチなんじゃないかなって思うよ。」
父「う~ん、納得がいかん。」
~帰宅後~
私「原題と邦題を見比べてみたけど、原題では『Darkest Hour』なのに対して邦題だと『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』なんだね。これじゃあチャーチルの半生を描くだと思っても仕方がないよね。」
父「『Darkest Hour』ってことはチャーチルの知られざる真実みたいなことか。それなら今回の映画は納得のいく出来だね。でも一つ疑問なのはチャーチルが本当にヒトラーのことをよく知っていたかってことだな。向こうの人たちにとってはそれが常識なのかもしれないけど。」わかる人教えて~
個人の感想
この映画がこれだけ美的なのはやはりイギリスが戦勝国だからということにあると思う。なぜならチャーチルの言う「徹底抗戦」やカレーを捨ててダンケルクを救えなど戦時中の日本でも見られた独裁的なものが垣間見えるものでもある。しかしこれだけ美しく表現されているのは戦勝国であったということに加え、ゲイリー・オールドマンの演技や「言葉を武器に変えた」ということからもわかるようにスピーチや言葉の力に焦点を当てたからなのではないかと思う。
最後に
プロパガンダ的なのがどういったものなのか自分にはよくわからないがはっきり言えるのは言葉というものの強さとこの映画を観て勇気をもらったということだ。そもそもプロパガンダはみんなが当たり前だと思うくらいひっそりとしかしはっきりと描かれるものだから。